こんにちは。管理人の佐藤尚之(さとなお)です。
1961年生まれの61歳です(2023年1月時点)。

50歳以上のあなたが主役のコミュニティ「Good Elders」へ、ようこそいらっしゃいました。これから末永く、よろしくお願いします。


このコミュニティの趣旨や作った想いについては、Aboutのページ でご説明しました。

なぜこれを作ったのかわかっていただきたいと思いますので、リンク先(↑)をぜひ一度お読みいただければと思います。


で、ここでは「作ったきっかけ」みたいなことをお話したいと思います。

もともと、「セイフティネット」的なものが現代日本、特に都会で働く人たちには足りないなぁ、という思いが、一番最初の出発点でした。これは10年前くらいから問題意識をもっていました。

雇用の流動性が高まった分、終身雇用で家族的だった昭和の会社コミュニティは崩壊し、勤め人は自由を得た代わりに「容易に孤立しやすく」なりました。転職し幅広い交友関係ができていく一方、それは仕事上の関係性を出ず、いざ勤め先を辞めてしまうと容易に孤立してしまう。そんなことが増えているのが今かと思います。

この辺に関しては、noteに書いている文章があるので、ぜひお読みいただければと思います(↓)



で。
そう考えていく過程でボクが60代になり、ちょっとびっくりするくらいの体力・気力の減衰を実感することになったんですね(毎朝3キロ走っているのに、体力の減衰は顕著でした。眠い時間が増えてきました)。

うわー、歳を取るってわりと試練だなぁ、と実感する日々でした。
この体力・気力減衰の最中に、たとえば「定年リタイアで会社コミュニティの外に放り出される」ってなかなかシビアだなぁと。

そこにプラスして、同年代の友人たちに介護問題や相続問題、老後資金問題などが急に起こり始め、60代後半で老人ホームに入る先輩なども出てきたわけです。

その上さらに、ボク自身が57歳のときにアニサキスアレルギーに突然なって(花粉症もなく、まったくアレルギー体質ではなかったのに)、魚介類がダシも含めてまったく食べられなくなりました。「高齢期は食に生きよう」と思っていたことがいきなりNGになり、生き甲斐や目標を失ってウツっぽくなって行きました。

この体験は個人的に本当に辛く(食の本を何冊も出したりするくらい食は生き甲斐だったのです)、ウツっぽい気分からの脱出に4年ほどかかりました。

でも、この「いままで得意分野だったことが不得意分野になる」「いままで普通に出来ていたことが出来なくなる」という喪失感とつらさをイヤというほど知ったんです。

この経験が大きかったですね。
そう、50代以上のエルダー期って「いままで得意分野だったことが不得意分野になる」「いままで普通に出来ていたことが出来なくなる」のくり返しなんです。

あぁ、歳を取るって、こういうつらさなんだ、と。

これが直接の「きっかけ」になりました。

それに加えて、周りにいろんな試練に晒されている同年代が増えてきました。
ボクの同期たちもリタイアの時を迎え、彼らと会うとそれはもう愚痴と悲嘆のオンパレードです。すべてにネガティブ。

しかも多くの同期が、会社時代の友人しか持っていない。
「仕事の友人」は退社後数年で切れることがほとんどなんです。それは50歳で独立したボクが経験済みなわけですね。
そして、現役時代に家庭を顧みなかったヤツも多く・・・数年であっという間に孤立してしまっていました。

あぁこれはヤバいなぁ、と心から思いました。
人口の1/3くらいいる60歳以上がこれでは、日本はどんどんネガになる。


ただ、すぐには「コミュニティを作ろう」とはなりませんでした。

コーチングの資格をとったこともあり、「こういう問題ってコーチングでなんとか解決しないかな?」と思って、「リタイアメント・コーチング」というジャンルを創り出すことをまず考えたんですね。

欧米ではそういうジャンルはあるんだけど、まだ日本ではほぼないんです。
だったらまずは自分でやってみようかな、と。

リタイア期〜老年期は試練だらけなので、みんなのそういうつらさにコーチとして寄り添って、解決策をいっしょに見出していくのはいいのではないか、と。

そう思って「リタイアメント・コーチング」というジャンル構築を考え始め、たった一回「こういうことを考えているんですけど、一緒にやる人いますか?」とFacebookに投稿しただけで150人のグループができるくらい賛同も多かったんです。

ただ、よくよく考えていくと、コーチングを受けて「こうしたらいいのかも」と悩んでいる方が方向性を見つけても、それを解決する方法が圧倒的に少ないわけです。

実際、何人かの50代60代にコーチングしたんです。
してみてわかったのですが、試練の所在と解決アプローチは見えたけど、結局「地域コミュニティに参加する」とか「老後資金を個々に考えて貯めていく」とか「生活レベルを抑えてやりたいことをやっていきたいけど仲間がいない」とか、解決策はあってもそれを実行する方法や環境がないということがわかってきました。

コーチングって基本「長い期間の伴走」なのだけど、「それって一回コーチングしたあとに放り出すことになるよなぁ・・・結局そのうちに『孤立』しちゃうんじゃないかなぁ。それってちょっと無責任だよなぁ・・・」と、逆に悩みは深くなりました。

・・・ということはですよ?
コーチングをしていくためにも、先にリタイア〜老年世代の「受け皿」(コミュニティ)を各自に持っておいてもらったほうがいいのではないか。
それがあった上でコーチングしていったほうが、解決の方向性が見えた後にすぐ実行に移せるのでいいのではなかろうか。

そういう風に「順番」を考え直したんですね。

では、それはどんなコミュニティ?
50年代以上のコミュニティ?
そういうのって、ありそうで意外とないなぁ・・・うーん・・・作っちゃおう。

と、考えていって出来たのが、この「Good Elders」です。



長くなりましたが、ここまで書いてきたことにはいくつかの要素が入っています。

●セイフティネット的なコミュニティが50代以降に必要。
●60代以降は特に体力気力が減衰する。そこにいろんな問題が重なって「試練だらけ」になる。
●同期や同年代のリタイア後がネガティブで、見てるのもつらい=日本全体のネガにつながる
●リタイアメント・コーチングは有効。でも受け皿を作るのが先。


ちょうどその頃、アメリカでベストセラーになった「モダンエルダー 」っていう本を読んで、おお、エルダーという言葉って、そういう意味にも使われるんだ、って思ったんですね。

とてもいい言葉と定義だなぁ、と。

では、まず、エルダー期の人たちでコミュニティを作ることを始めてみよう。
シニアとか高齢者とか言われてしまうこの世代を「エルダー」という言葉で再定義して、みんながお互いに役に立ちあうコミュニティを作ってみよう。

それがこのプロジェクトだったりします。

エルダー期は収穫期。
本来、「老害」とか言われるような時期ではないんです。人生の果実を収穫する美しい時期なんですから。

まだ充分イキイキしている人たちで仲間になって、一緒にこの時期を楽しく生きて、いろんな試練においてセイフティネットになっていけるような、そんなコミュニティを目指しています。

みなさんも、ぜひ、能動的にこのコミュニティに関わって、いっしょに育てていただければと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。