私にとって大切な本のひとつが、
若松英輔さんの『悲しみの秘義』。
そこに、
本との出会いについてのくだりがあります。
「本との出会いも似た状況で起きる。
探していた一冊に出会えたとき私たちは、
単に新しい言葉を知ったという風には思わない。
時空を超えてやってきた、
未知の、しかし、旧友と呼びたくなるような
存在と巡り合ったように感じる。
しかし、自分に起こったことを懸命に説明しても、
なかなかほかの人には伝わらない。
だからだまって本を送ることもある。
だが、人からもらった本にはなかなか手が伸びない。
一方、送った人は、
自分に起こった小さな「事件」が
ほかの人にも起こると信じている。
人生の岐路と呼ぶべき出来事は、
それが自分のなかでは
どんなに烈しく起こっていても、
それを他者と分かち合うことはできない。
理由はもう分かっている。
それらはすべて、
私たちのうちなる世界で起こった、
私にとっての「事件」だからだ。」
(『悲しみの秘儀』若松英輔 ナナロク社)
そうわかっていても、
どうしてもいてもたってもおられず、
苦しみや悲しみを抱えている
(のではないかと、私が勝手に想像した)
友人や家族に送った本があります。
それを、以前、
Facebookの「ブックカバーチャレンジ」で
紹介しました。
https://lnkd.in/egy_SvDX
本のタイトルは
『喜びから人生を生きる! Dying to be me』
(アニータ・ムアジャーニ:著)
数年前、突然、日本にいる身内が危篤状態となり
「緊急手術を受けるけれど、助かる見込みはないかも」
という連絡を受けたとき。
すぐに日本に帰るわけにもいかず、
ただただ祈るしかない私は、
この本を思い出し、
とにかく、声をかけ、祈り続けていました。
それから何ヶ月かしたあと、
アニータがロンドンでワークショップを行うと知り、
彼女に会いたい一心で参加。
著書へのサイン会で、
彼女に直接お礼を伝えることができました。
(↑英語版も持っているのですが、日本語版にサインしてもらいました)
これまでこの本を送った友人や家族が
私から送られてきたアニータの本を
読んだかどうかはわかりません。
でも、少し前に
コーチングのクライアントの方に送ったら
一気に読んでくださったようで、
「今の自分に必要な本だった」と言ってくれました。
本は、それぞれの人に
ベストなタイミングで
出会うのだろうな。。。って思います。
(だから押し付けはよくないのも
わかっているのですが😅)
。。。みなさんにとって
人にすすめたくなる本って、どんな本ですか?
教えていただけたらうれしいです😊

2023/07/21 20:30